2005年12月08日

最高裁へ小田急訴訟を傍聴に行く

Saikousaityousha.JPG

 最高裁へ傍聴に行きました。傍聴したのは「小田急線連続立体交差事業認可処分取消等請求事件」。今回はこの事件において沿線住民の原告適格について認められるかどうか。第2審の東京高裁では全員適格無しで棄却されたが、行政事件訴訟法の改正で原告適格がどこまで認められるかが問われる。利用者としては注目、そして、今年度の重判間違い無しであろう判決である。

 1時頃に到着。このころ、傍聴希望者はまだ50人ほどだった。行政事件訴訟法の勉強で来ている若い人以外は明らかに高架反対派の老紳士、老婦人の方ばかりだった。そんな中、圧倒的?少数派の高架推進派(?)兼行政事件訴訟法のお勉強(??)の私は並ぶ。1時30分の時点では100人は越えたらしく、抽選に。Saikousaiseiriken.JPG
整理券をもらう。そして、抽選へ。

 結果は当たり。Saikousaiboutyou.JPG

 傍聴券をもらい、中へ。
 地裁での傍聴は何回かあるが、最高裁、しかも大法廷となるとはじめてである。中へ入るとまず、ロッカーへ荷物を預ける。携帯も電源を切ってロッカーへ。(もちろん中は撮影できず。)持って行けるのは貴重品と筆記用具のみ。そして、何回か引っかかるくらい厳密な(笑)金属探査を経て、長い通路を歩き、大法廷へ向かう。
 通路を通っていても、とにかく中はでかい。そして、荘厳。さすがは司法の府である。
 そして、大法廷内へ。天井が高い。そして、荘厳の一言に尽きる。何となく緊張してしまう。

 3時開廷の5分前。報道各社のカメラが並び、そして、真ん中の扉から裁判官14人入廷。撮影が終了すると開廷。判決文を読み上げる。

その判決とは・・・。

 報道でご存じの通り、鉄道高架化事業に関して原告側住民40人中東京都環境アセスメント対象地域(大体、路線から約1キロ以内の地域)の住民37人について原告適格を認めた。(ニュースソースはこちら。)
 今後は、第一小法廷にて高架化事業認可について審理されるとのこと。
 今回の判決は改正された行政事件訴訟法の第9条2項に関して、法令の文言だけでなくその内容や性質、また、害されるおそれのある利益などを考慮し、柔軟に原告適格を判断するべきという、改正された条文やその改正の趣旨に沿う形の判例となった。今後、公共事業に関する事業認可を問う訴訟ではこれが一つの基準となるのだろう。

 (ここからは法律論を抜きにして。)ただ、この小田急の高架化事業認可訴訟は私個人としては単に近隣の一部住民のエゴと感じている。大体、小田急が通る前からこの土地にいる人がどれほどいるのだろうか。ほとんどの人は横に小田急が通っていることが分かってずっと住んでいるはずである。元々、騒音があるのを承知の上のはずだ。そして、いざ、高架化だ複々線だとなり、ずっと反対し、工事を遅くして、なおも、騒音がある、高架が目障りだから地下にしろ。というのはわがままに写る。
 事業が始まって40年経ってやっと出来、それまで「ギュウギュウノロノロ」の小田急を使ってきた身(私は高架複々線のできる数年前からの利用だが。)としては本当にエゴと感じ、無礼甚だしい。そこまでうるさいのが嫌なら引っ越せばいいだろうし、土地からどいた人は代替地なり、補償金はもらっているはずである。それでどうにか線路から離れた近所へ行けば良かったのではないか。第一、高架になった方が騒音は減ったという近隣住民の方は多いし、さらにいえば、小田急の場合、地下に潜らせるとなると環八や川の下を通すため相当深いところを通すことになり、決して地下化がコストが安くなるとは言えない。それを無視して違法とか判決を出した東京地裁の藤山判事は何を考えたのだろうか。私としては地裁の判決や理由を読んでも納得いかなかったものだった。
 高架が違法なら近隣他社、例えば東急や同じように高架複々線化した西武はどうなんだ。そして、先行して高架複々線化した狛江市の沿線住民はどうだ。原告の一部住民のような不満を言っているか。騒音が増えて迷惑だなんて言っているだろうか。だいたい、小田急だって騒音を少しでも減らすために車両の新造、入れ替え。高架の壁には吸音材や騒音防止の構造にした高架を作って努力しているし。
 今だってラッシュ時の混雑は、一時より改善し時間の短縮で体感的な気分は変わったとは言え、まだまだ激しい。原告の方々は年老いて、もう今の小田急の混雑の酷い時間になんて使っていないだろう。だからあんな身勝手なことを言っているのだろう。今も混んだ中使っている人たち、多摩川、さらには相模川を越えて使う方々にとっては迷惑な人たちである。

 これから実質的な審理に入るが、最高裁には、両者の言い分や国、都、小田急の事業認可におけるデータを余すところ無く精査していただき、地下化せいなんて言う無茶な判決を出さないで、違法性がないという判決か利用者に迷惑のかからないような判決を出すことを願いたい。37人のわがままより、200万とも300万人とも言われる利用者の利益を考慮に入れれば当然の帰結である。
 「国民の権利」という名でエゴの横暴をしているような輩を許してはいけないと思う。

 ここまでの長文読んでいただきありがとうございました。
この記事へのコメント
僕も小田急は努力しているほうなんじゃないのかなぁと思っています。下北沢の注意深い工事の仕方を見てもね。ただこの話で高架化推進の立場をとると、「近隣にすんだこともないくせに、他人事のように言いやがって」などと反論されそうですよね。そういう意味で強く推進の意見を書いているnaruの発言てのは、なかなか興味深かったです。
Posted by ごろう at 2005年12月08日 18:17
 コメントどうもです。
 まあ、あの近辺の複々線化事業では騒音関連で訴訟も起こされたこともあり、騒音を減らす対策や、ご指摘の通り、下北沢近辺の地下化工事でも注意深く工事を進めており、それなりに迷惑をかけない努力していることは感じます。

 今回、少々、感情的に推進論を書いたので、もしかすると何らかのスキ(?)もあるかも知れませんが、利用者のためにも、当該住民の方に事業趣旨や努力を理解してもらい、便利に使ってもらえるよう残りの複々線化事業も含め、推進してもらいたいと思いつつ、長々と論じたものです。
 今後ともごひいきに。
Posted by Naru2 at 2005年12月09日 01:47
行政事件訴訟法9条の改正で結構注目された判決でしたね。
これには、naruも通う学校のI村先生も色々と仰りそうだし(笑)
代替地等についてコメントがあったけど、この点については、他の判例(伊方原発だったかな。)もあるようなので、何かしらの勉強の際にでも読んでみてくださいな。
今回の判例では、原告適格を認めたけれども、これから、実質的な審理が開始され、また最高裁までいくとすると相当の時間がかかるよね。
三審制であるが故に当然なことではあるけれども、迅速性ということも考えなくてはいけないなぁ。ということも考えちゃいました。
Posted by 畑中 at 2005年12月10日 16:18
>畑中さん
コメントどうもです。
たしかに、来年の行政事件訴訟法の授業でI村先生が触れることは間違いなさそうな判例ですね。他の判例は時間が出来たら読んでみます。

行政法の授業は無味乾燥な内容なのですが(担当のK野先生はある意味、癒し系で良いのですが(笑))、こういう、実例を見ると行政事件訴訟法が面白く見えてきます。それはそれは楽しみです。
Posted by Naru2 at 2005年12月12日 00:49
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Tracked: 2005-12-08 11:56
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